Tamago Gadget Dev Team Blog

なぜきぼうソフトは失敗を二度も繰り返したのか

May 01, 2019

さて、5月1日になり令和の時代を迎えるに至りました。
今日はMastodonに取り上げたヤベー話題シリーズを再びやりたいと思います。

botdonの急な閉鎖

さて、4月28日にきぼうソフトは以下のような告知を出しました。

まあこれだけでも、大変お粗末と感じられた方はいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はbotdonの閉鎖の問題点、そしてきぼうソフトが2度も繰り返した悲劇を取り上げたいと思います。

告知と補足

botdonの閉鎖が無予告で行われたため、ユーザーは移転先を探さざるを得ませんでした。
一部ユーザーからは「きぼうソフトにbotdonの閉鎖について閉鎖日の前に問い合わせたが、返答がなかった」という意見もあります。
非常に無責任と言わざるを得ませんね。「他人の用に供する」サービスである以上、責任をもって運営してほしかったですね。

さて、5月1日午前1時に、きぼうソフトはbotdon閉鎖に関する補足を行いました。

皆さん、なにかにお気づきでしょうか。
そうです、閉鎖の告知を出したアカウントと補足を行ったアカウントが異なるのです。
告知と補足を行ったアカウントが異なり、その上スレッド化されていないとなれば、そのどちらかだけを読んだユーザーは文脈が理解できないとは思いませんか。

告知と補足はそのどちらもが欠けてはいけません。なぜならば、これらは一連の情報として連続性があるからです。
例えば、「〇〇に障害が発生しています」という告知と、「〇〇の障害は△△が原因で、□□時に復旧します」という補足は連続性があります。
時系列順にデータが把握できるよう、(ニコニコの障害情報なんかもそうですが)〇〇月〇〇日〇〇時補足といったように、告知と補足は別々に分けられることがほとんどです。
しかし、きぼうソフトは情報の連続性と時系列を考慮することなく、その上別々のアカウントから告知と補足を行ったのです。
「他者の用に供する」サービスである以上、ユーザーに対して理解しやすい情報を提供するのは義務ではないでしょうか?
なぜ公式ホームページでプレスリリースという形で閉鎖を告知しなかったのか、と思います。

補足の問題点

さて、先程は告知と補足の連続性の欠如と、別々のアカウントから投稿したことに関する問題点をお伝えしました。
次は補足の問題点を洗い出していきましょう。

  • あくまで実験的に運用していた

  • botという性質上利用規約に違反する恐れがあるため、自社物理サーバーで運用していた

  • 実験的という性質上、サービス監視などは行っておらず、ディスク容量の事前警告等は行えなかった

  • 実験的とは?

実験的とはどういうことなのでしょうか。
例えば、theboss.techは「実験的」という形で新規登録を開放した、と言われています。
実験的とは「すぐに閉鎖する可能性がある」ということなのでしょうか?それとも「新たな技術を導入する実験」なのでしょうか?

  1. 利用規約に違反するとは?

bot運用が利用規約違反になるVPSサービスやクラウドコンピューティングサービスは、確かに存在します。
ですが、それらは「DDoS目的」や「SPAM目的」などに細分化されることが多く、決して全てのbot運用の目的を阻害するものではありません。
「他者の用に供する」サービスであり、一度デプロイしたからにはサーバーを変更することは難しいかもしれません。
ですが、きちんと利用規約に違反しないサービスの存在は確認しなかったのでしょうか。VPS Dime等の利用規約が比較的厳しいVPSサービスにおいても、bot運用の全てを規制する条項は存在しません。

  1. サービス監視を行っていなかったのはなぜ?

これが一番の問題です。「他者の用に供する」サービスであり、一度デプロイしたからには、継続の義務が生じます(もちろん、サービスを終了する自由がないわけではありません)。
なぜ監視をしていなかったのでしょうか?実験的という流動性を孕むサービスにおいて、監視を設けないのはサービスを継続するつもりがない、と思われても仕方ないです。
特に、たとえディスク容量が限られていたとしても、監視さえ行っていれば、ディスク容量の逼迫に伴い、近日中にサービスを終了する可能性があると伝えられたはずです。
告知文も補足の仕方もお粗末以外の何物でもありませんが、一番お粗末なのは流動的なサービスにおいて監視を施していなかったことです。

二度繰り返された悲劇

まあ、一番はこれでしょう。発表においてきぼうソフトが失敗したのは一度目ではありません
以前当ブログで「Mastodon における「分散化」とは?」というエントリを投稿し、ここでもちょっと取り上げたことなのですが。

.cloud鯖(mastodon.cloud)移転騒動です。
当時、.cloud鯖の管理者は技術的な知識に疎く、増大するユーザー数に対して、サーバーの増強が追いついていませんでした。
管理者に対する圧が強まる中、きぼうソフトはその運営の受け入れを申し入れ、結果的に運営権利は無償で譲渡された訳です。

ですが、ここに致命的な誤解を生じてしまったのです。「.cloud鯖は有償できぼうソフトに買収された」という誤解です。
オイゲン氏がきぼうソフトについて言及するまで、多くの海外のユーザーはこの誤解を持ち続けていました。
では、なぜこのような致命的な誤解が生じたのでしょうか?

それは、プレスリリースを出さなかったからです。
きぼうソフト側も、また.cloud鯖の管理者側も、その権利譲渡について一切プレスリリースを出しませんでした。
唯一の公式の情報リソースであるプレスリリースを出さなかったことで、.cloud鯖のユーザーのみならず、海外のユーザーはいらぬ詮索をしてしまいました。

結果的に彼らが出した結論が、「.cloud鯖はきぼうソフトに買収された」でした。
これもまた、きぼうソフトからの発表がなかったがために引き起こされた悲劇です。
.cloud鯖は権利譲渡後アクティブユーザー数がどっと減ってしまい、少数の日本人ユーザーが残るだけになってしまいました。
Mastodonサーバーの先駆者的存在だったがために、非常に残念に思います。

余談

きぼうソフト憎し、というよりは、しっかりしろよきぼうソフト!という感じで書いてます。
というのも、彼らはbotdon以外にも、JP鯖や雲鯖、そしてきぼうソフトNowといったMastodonサーバーを運営しています。
これらのサーバーが、同様のお粗末な終わり方をされれば、困るユーザーは多いことでしょう。

何より、彼らは運営上生じた不具合や障害、閉鎖等の告知において、一回も公式サイトにおけるプレスリリースを用いたことがありません。
プレスリリースは唯一の公式の情報リソースであり、これがなければ非公式な場所から情報を得ざるを得ません。
もうちょっと考えてほしかったものです。何より、電気通信事業という「他者の用に供する」サービスですから、責任をもって継続への努力をしてほしかったです。

電気通信事業は、基本的に「他者の用に供する」ために運営されます。そこから営利を得ているのなら、なおさらです。
監視をせずに、そしてユーザーにたいして一切の告知をせずに、突然サービスを終わることは、ユーザーの信頼に対する裏切りとも見ることができます。
過ぎてしまったことは仕方がないので、これから切り替えていってほしいと節に思います。

ちなみに、僕はこの話題でまた被ブロ数が増えました。とほほ……。


Nie(sha)

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