Tamago Gadget Dev Team Blog

新興決済手段について色々

February 19, 2018

PayPayとかゆうちょペイとか、ヨドペイとか色んな決済サービスが乱立していますね。
今日は、(この前色々あったので)こっちに僕の意見をまとめていこうと思います。

日本におけるキャッシュレス決済

未だに現金信仰が根強いと言われている日本ですが、2000年代前半に比べるとそうでもないと言えます。
経済産業省が昨年4月に発表した「キャッシュレス・ビジョン」PDFによると、2016年の民間最終消費支出に占めるキャッシュレス決済の割合は 20.0% でした。
2008年の 11.9% に比べるとおよそ 9% ほど上昇しており、キャッシュレス決済の利用頻度は徐々に上がってきているようです。

さて、ここで気になるのがキャッシュレス決済のうちに占める電子マネーとクレジットカードの割合です。
2016年の報告によると、キャッシュレス決済のうちクレジットカードが約9割を占めており、圧倒的首位に立っています。
それに続く電子マネーはわずか1割足らずと、低い割合を占めていることがわかります(ただし2008年と比べると純増10%なので、ここ8年で利用者が増えていることは明らかです)。

まあ日本で現金が流通しやすい理由は言わずもがなでしょう。「治安の良さ」と「現金に対する信頼」です。
治安が良いと多額の現金を持ち歩いても窃盗等の被害に遭う危険性はかなり下がります。
また、偽札が流通することがほどんとないため、(現金に対する信用が低い国に比べれば)キャッシュレス化する意義を感じにくいということが挙げられます。
以上で挙げたことは、間違いなく日本の良いところから来ている現金の特徴なので、なかなかこれを打ち破るということは難しそうです。

クレジットカードの利便性

さて、国内のキャッシュレス決済のうち9割を占めているクレジットカードの話に移りましょう。
コンビニから百貨店まで、様々な単価に対応できる支払い方法といえばクレジットカードくらいしかないでしょう。
数百円程度から数百万円まで、クレジットカード1枚あればすぐに支払いができます(与信枠にもよりますが)。

便利ですよね、僕もコンビニでの支払いは小銭がパンパンでない限りクレジットカードでやっています。
前はコンビニではクレジットカードを店員に渡さなければならなかったので、番号を読み取られたり CVC を見られたりといった心配がありました。
ですが、セブンイレブンやローソン、ファミリーマートといった主要なコンビニでは、すでに客が POS レジにカードを挿入する方式が取られています。
また、少額決済では署名が不要になるなど、利便性の改善がかなり進んでいると感じています。

カード1枚で済むという利便性に加え、クレジットカードでの支払いはさらなる進化を遂げています。
一回ハワイに行った際に支払いにカードを利用したのですが、店員さんがカードリーダーを指さして「自分でやってくれ」と言われました。 カードを挿して、暗証番号を入力して、支払い内容を確認して、終わり。たったこれだけで支払いが終わってしまいました。
ドル紙幣を取り出してわざわざ数えるより、こっちのほうが楽ですね。現金を使っている人をあまり見かけませんでした。

新たな決済手段、QRコード決済

QRコード決済は非常に導入がしやすい、新たな決済手段です。
アリペイなどが有名ですね。屋台にぶら下がったアリペイのちらし、タクシーの支払いも全部アリペイ……。現金に信頼がおけない中国では、特に人気の支払い手段だそうです。
日本でも PayPay や Origami などが新たなサービスを模索している状況です。

さて、なぜ中国では屋台やタクシーといった空間で QR コード決済が頻繁に利用されるのでしょうか?
おそらく、それは「電気がなくても(カードリーダーが使えなくても)電波さえ掴めれば使えるから」だと思います。
ライブの会場で画面に表示された QR コードをチケットにして使うように、かざすだけ、写すだけでとても手軽に利用できますし。

例えばコミックマーケット。収納代行を利用するには手数料が高すぎるし、カードリーダーも置けない。こういう場所では QR コード決済の良さが光ります。
タブレットで QR コードを表示して、スキャンすればすぐに支払いができる。煩わしい小銭も必要ないですし、買い手にとっても売り手にとっても非常に利便性の高いサービスになります。

ですが、このような場所での利用というのはあまり聞きません(僕が聞かないだけかもしれません)。
クレジットカードが使えないという QR コード決済の利点が一番活きる場所なのに、なかなか利用が進んでいないみたいです。
それどころか、 QR コード決済の主戦場はコンビニ等のクレジットカードも使える場所みたいです。(それならクレジットカードで良くね?と僕は思います)

もっと輝ける舞台があるのに、なかなかそっちの方にスポットライトが向かないのが気になります。
導入はクレジットカードよりはるかにやりやすいですし、もっともっとこういう場所で使ってみたらいいんじゃない?と思っています。

新興決済手段のすごいところとヤバイところ

QR コード決済の急激な進展はとどまることを知りません。様々な会社が様々な決済サービスを打ち出してきています。
(まるで ATARI の人気に便乗したペットフード会社とか食品会社みたいだな、と心の中では思っています。)
これだけ競合相手が出てきたら、勝負するところは次の3つに絞られてくるでしょう。

  • 手数料の安さ
  • 審査や導入のスピーディーさ
  • 還元率

上2つは売り手にとって、最後は買い手にとってのメリットです。
クレジットカードの収納代行や加盟手数料に比べれば、QR コード決済の手数料はかなり安いです。
それに、売り手としての審査や導入までの期間も、クレジットカード決済を導入するよりはるかに手軽です。 (そこらへんは特定商取引法とか資金移動業者とか色々絡んでくるのでググってね)

この辺りは、クレジットカードがどうやっても QR コード決済に勝てないところです(あと場所を選ばないという最大の利点もある)。
売り手としても買い手としても、非常に魅力的なサービスが揃ってきつつあります(自動割り勘機能とかすごいよね、 僕は使う機会がありませんが 。)

ですが、現金を扱うということは非常に怖いことです。お漏らししましたし。(ここらへんは言及するとすごい人になんか突っ込まれるので言わないでおきます。ググってね)
信頼がまだ醸成されていないサービスに対して、クレジットカード情報を委任するというのは怖いことです。
堅実な人が多いのであまり意識する人はいないかもしれませんが、クレジットカードは枠がある限りお金を引き出せます。要は銀行口座がすっからかんになってもショッピング枠が残っていればお買い物ができるのです。
流出したカード情報はどこに行き着くかわかりません。すでにダークウェブでの日本のカード情報の取引件数が増大していることを観測していると発表しているモニタリング機関もあります。

新しいサービスというのは素晴らしいものです。スタートアップのプロダクトで「これすげえ!」っていうものを見かける感覚と似ています。
ですが、僕はクレジットカード情報を委任するからにはそれなりの信頼が必要だと考えています。先程も言ったように、クレジットカードは銀行口座がすっからかんになってもお金を作れますから。
信頼のない信仰サービスに あなたのお金を 預けることができますか? あなたのクレジットカード を預けるということは、 預金だけを預けるわけではない んです。
クレジットカードは魔法のカードじゃない、と僕はいつも買い物をするとき自分に言い聞かせてます(とは言いつつもコンビニでデザート買っちゃうんですが)。

セキュリティ対策が万全に行われていればいいのですが、おもらし案件があって以来僕はあんまり手を出そうとは思っていません。
何より不憫なのが、還元キャンペーンと銘打った宣伝によりサービスを利用し、クレジットカード情報が流出してしまった人たちです。
サービスの安定性が確かめられていない内から宣伝を打ち、人の報酬系を刺激してサービス利用者を増やすのは(宣伝できるだけの資金があれば)簡単でしょう。
ですが、それで巻き込まれる人が出てきてはいけないと思っています。もうちょっとサービスが安定してきてからキャンペーンをしても遅くなかったのではないでしょうか?

まとめ

  • 現金の利用率はやっぱり高い。でもそれだけ現金に対する信頼が高いってことだね。
  • クレジットカードは所持人口が多いし、色んな場所で使える。他方、 QR コード決済は場所を選ばないし手数料も安い。売り手にやさしい。
  • 信頼がおけないサービスにクレジットカード情報を委任しても後悔しないか考えよう

最近のスタートアップは既存のサービスでは届かなかったところをカバーできるような、素晴らしいアイデアが多く詰まっています。
なので、 Kyash や Origami にはもっともっと頑張って欲しいです。 Origami はそのうち個人間送金を実現するみたいなのでとても楽しみ。
ですが、クレジットカード情報の取扱には気をつけたい。気になったサービスがあるからクレジットカード情報を、とやっちゃうのはあまりにも安直な気がします。
利便性を追求するのはとても大切ですが、その前に情報をおもらししないようにするのが大事だと思いました。こうやって考えると航空機と同じニオイがしてきます。

余談

ちなみに、クレジットカード会社がキャッシュレス決済を提供してくれないという意見も頂戴しましたが、じつは VISA が VISA PayWave という決済手段を開発しているのです。
これはクレジットカードを決済端末にかざすだけで使用できる、 IC チップを接触させる必要がない便利な手段なのですが、日本国内ではあまり流行っていないようです。
コストコくらいでしか使えないみたい。もっと流行って欲しいです。

あと、以上の意見をまとめてトゥートしたら「リテラシーがない」といったご指摘を頂戴いたしました。
不快に感じられた方がいらっしゃったら申し訳ないです。どうやらリテラシーがある方々はすでに QR コード決済をバリバリ使われているようで感服いたしました。
田舎だから使える店舗がすくないです。よければオススメの QR コード決済サービスを教えてください。もちろん PayPay 以外で。


Nie(sha)

Tamago Gadget開発チームのブログです。
Written by Nie(sha) Follow me on Tamagodon